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Adjust と Google Analytics(GA4)連携でハマりやすいポイント

はじめに

モバイルエンジニアの譚です。AdjustとGoogle Analyticsを連携する際の注意点について紹介させていただきます。

本記事では、Google Analytics(GA4)の計測基盤である Firebase Analytics SDK を利用しています。 実装当初は、公式ガイドを参照しながら設定を進めていましたが、app_instance_id に関する説明が抽象的で、意図したとおりに連携ができていませんでした。 どの ID を Adjust に渡すべきかを誤ってしまい、結果として Adjust 側でデータが確認できない状態が続いていました。 そのため、ハマったポイントと、解決方法について、ご紹介します。

Google Analytics(GA4)と Firebase Analytics SDK の関係について

モバイルアプリにおける Google Analytics(GA4)は、Firebase Analytics を基盤として提供されています。 そのため、アプリで GA4 を利用する場合は、Firebase Analytics SDK を導入し、Firebase SDK を通じてイベントやユーザー情報を計測することになります。

使用している Adjust および Firebase の SDK バージョンは以下のとおりです。 今後 Adjust や Firebase の SDK がアップデートされた場合、挙動が変わる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。

  • Adjust 5.4.5
  • Firebase Analytics 11.15.0

なお、本記事ではアプリ側の連携時に注意すべき点について記載しています。 Adjust 管理画面の設定方法については、公式ガイド(外部リンク)をご参照ください。

背景

Adjust は、モバイルアプリ向けの計測プラットフォームです。 広告経由のインストールやアプリ内イベント、継続率などを計測・分析し、どの広告施策が成果につながっているのかを可視化することができます。

また、Adjust は Google Analytics(GA4)や Firebase、各種広告ネットワークと連携できる点が特徴で、アプリ内で発生したユーザー行動を横断的に分析することが可能です。 これにより、広告効果測定だけでなく、マーケティング施策やプロダクト改善の意思決定にも活用できます。

連携手順

公式ガイドに従って、Adjust と Google Analytics を連携するために必要な ID と API Secret などの情報を取得し、Adjust 管理画面で各種設定を行います。

アプリ側で行う作業はシンプルで、Adjust SDK を初期化する前に、Google Analytics の app_instance_id を設定するだけです。

他の Adjust SDKのコンフィグレーション設定との前後関係は特に気にする必要はなく、Adjust SDK の init 関数を呼び出す前に app_instance_id を設定すれば問題ありません。

Adjust 管理画面で各種パートナー設定が正しく行われれば、アプリ起動後に Google Analytics の計測データと連携され、Adjust 側でもデータを確認できるようになります。

ハマりやすいポイント

アプリに関連する ID は以下の2種類です。

  • Firebase App ID
  • Google Analytics の app_instance_id

Firebase App ID は、Adjust 管理画面の設定で必要となる項目です。 一方で、特に間違えやすいのが app_instance_id の設定方法です。

① SDK のバージョンによって使用するメソッド名が異なる

公式ガイドには 「この連携を行うには、アプリに Firebase SDK を実装し、Adjust SDK 内にセッションパートナーパラメーターを設定してください」 と記載されています。

しかし、Adjust SDK v5 以降では、「セッションパートナーパラメーター」は「グローバルパートナーパラメーター」に名称が変更されています。

公式ドキュメント内の各モバイル SDK のページで、「SDK バージョンを選択:」から切り替えることで、この違いを確認できます。

② 設定すべき ID は Google Analytics の app_instance_id

グローバルパートナーパラメーターに設定すべき ID は、Firebase App ID ではなく、Google Analytics の app_instance_id です。

ドキュメントを上から順に読んでいくと Firebase App ID が頻繁に登場するため、誤って Firebase App ID を設定してしまう可能性が高い点には注意が必要です。 また、ドキュメント下部には Firebase Session ID の記載もあり、さらに混乱を招きやすい構成になっています。

Google Analytics の app_instance_id は Firebase SDK から取得できます。

  • iOS: Analytics.appInstanceID()
  • Android: Firebase.analytics.appInstanceId

取得した ID をキー app_instance_id の値として上記①で紹介したメソッド(セッションパートナーパラメーターまたはグローバルパートナーパラメーターを設定するメソッド)を呼び出せば、Adjust SDK への app_instance_id の設定が完了します。

動作確認として、取得した ID が 32 桁の 16 進数であることを確認すれば問題ありません。 また、この ID はインストールした端末ごとに異なるため、複数端末やシミュレータで確認しておくことをおすすめします。

最後に

本記事では、Adjust と Google Analytics(GA4)を連携する際に、アプリ側の実装で特に注意すべきポイントについて紹介しました。

特に、設定すべき ID が Firebase App ID ではなく Google Analytics の app_instance_id である点や、Adjust SDK のバージョンによって設定方法が異なる点は、実装時に見落としやすいポイントです。

これから同様の連携を行う際に、本記事が実務の参考になればと思います。

今後もローソンデジタルイノベーションでは技術ブログを更新していきますので、是非「読者になる」で応援していただけますと幸いです。